2017年 09月 17日 ( 1 )
「この世界の片隅に」
「この世界の片隅に」

上映当時勧める人がいたので気になっていながら観ていなかった。
予告編動画を見たけどリアリティが感じられない絵柄で気が進まな
かったというのが正直なところだった。

日本で戦時中の描写というと思い浮かぶのはNHK朝ドラの世界観。
空襲から逃げ惑う市民、やたら声が高く暴力的な近所の愛国者、食糧
不足…毎日暗黒社会だったかのように表現されてきた戦時中の庶民の
姿はモノトーンの印象だったのにこの映画の中では道端の草花、遠く
見える呉軍港の光景などみずみずしく柔らかな色彩で描かれている。
庶民の生活も次第に窮乏していく中でたくましく明るさを失わず暮ら
している様子が今までにない演出で印象的。

そんな暖かみのある日常描写の中に唐突に飛び込んでくる戦争という
超現実。
対空砲火の砲煙をカラフルに彩ってしまう主人公すずさんの視点が目
の前の戦争を現実と受け入れ切れていない表現として印象に残った。

僕が子供の頃はまだ戦争を体験した人たちが身近に生きていた時代
なのでその頃聞いた話を思い出した。
この映画はタイトルどおりこの世界の片隅に数えきれないほどあった
戦時中の生と死がいまよりずっと身近にあった日常を淡々と描くこと
で過剰な反戦メッセージや言葉ばかりの平和の尊さを押し付けずそれ
でいて日常に降りかかった戦争を上手く伝えている。


※追記
この映画、上映時でなくいま観たのは良かったのかもしれない。
21世紀の空襲警報が日本で鳴っているこの時期に。
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by caz0322753 | 2017-09-17 20:59 | つぶやき | Trackback | Comments(0)